「今、ここ」に戻る練習
「今、ここを生きる」
という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。
でも、
「じゃあ、具体的にどうするの?」
と言われると、意外と分かりにくいですよね。
何も考えないこと?
瞑想すること?
目の前のことに集中すること?
今回は、
・・・・
🌿 「今、ここ」にいるって、どういうこと?
・・・・
というところから考えてみたいと思います。
目次
■ 私たちは、思っている以上に「今」にいない
例えば、誰かと話している時。
目の前では相手が話しているのに、
「あ、この話、前にも聞いたな」
と思っている。
これは過去です。
「このあと何て答えよう?」
と考えている。
これは未来です。
相手の話を聞きながら、
「今日の晩ご飯どうしよう」
なんて考えていることもあります(笑)
身体はそこにいるのに、
・・・・
🌿 意識は、過去や未来や全然違う場所にいる。
・・・・
これ、私たちは一日の中でかなりやっています。
■ 思考さんは「今」から出ていくのが得意
これまでの記事でも、
「思考さん」の話をしてきました。
思考はとても便利です。
過去を振り返って学んだり、
未来を予測して準備したり、
問題を解決したりできます。
だから、
過去や未来を考えることが悪いわけではありません。
でも、
必要がない時まで、
「あの時、ああすればよかった」
「また同じことが起きたらどうしよう」
「明日は大丈夫かな」
と考え続ける。
すると、
・・・・
🌿 今起きていることを感じる時間が減っていきます。
・・・・
■ 「今ここ」とは、何も考えないことではない
ここは勘違いしやすいところです。
「今ここにいる」というと、
頭を空っぽにして、
何も考えない状態を作らなければならないように感じるかもしれません。
でも、そうではありません。
例えば文章を書いているなら、
言葉を考える。
構成を考える。
次の文章を考える。
これは当然必要です。
料理をしているなら、
次に何を入れるか考えることもあります。
それでいいのです。
大事なのは、
・・・・
🌿 今やっていることに、意識があること。
・・・・
です。
文章を書きながら文章を考えている。
料理をしながら料理をしている。
人と話しながら、その人の話を聞いている。
とても普通のことなのですが、
実はこれがなかなか難しい(笑)
■ 「今」を感じると、いつもの景色が変わる
例えば、
朝、お茶を飲む。
いつもなら、
お茶を飲みながらスマホを見る。
今日の予定を考える。
昨日の出来事を思い出す。
でも一度、
ただお茶を飲んでみる。
温かい。
香りがする。
カップが手に触れている。
口の中に味が広がる。
窓から光が入っている。
遠くで何か音がする。
何も特別なことは起きていません。
でも、
・・・・
🌿 今まで気づかなかったものが、急にたくさん見えてきます。
・・・・
幸せって、
何か良いことが起きた時だけに感じるものではないのかもしれません。
普段からそこにあるものに、
自分の意識が向いた時に感じられるもの
でもあるのだと思います。
■ 「幸せがない」のではなく、見ていなかった?
私たちはつい、
旅行に行ったら楽しい。
仕事が成功したら嬉しい。
欲しかったものが手に入ったら幸せ。
と思います。
もちろん、それも幸せです。
でも、
特別なことが起きなければ幸せになれないとしたら、
人生の大部分は、
「幸せになるまでの待ち時間」
になってしまいます。
・・・・
🌿 でも、本当にそうなのでしょうか?
・・・・
おいしいお茶を飲んでいる。
風が気持ちいい。
布団が暖かい。
誰かとくだらない話をして笑った。
ピアノから好きな音が出た。
何でもない日常の中にも、
感じようと思えば感じられるものはたくさんあります。
ただ、
その瞬間に意識がなければ、
気づかず通り過ぎてしまいます。
■ 「今ここ」は歯磨きでも練習できる
だから「今ここ」の練習に、
特別なことは必要ありません。
瞑想しなくても大丈夫です。
例えば、
歯磨き。
これ、かなり良い練習になります。
歯磨きをしている時、
皆さんは何をしていますか?
スマホを見る。
テレビを見る。
洗濯物を見る。
今日の予定を考える。
昨日のことを考える。
いろいろやっていないでしょうか。
そこで一度、
・・・・
🌿 歯磨きだけをしてみる。
・・・・
歯ブラシが歯に当たっている感覚。
右。
左。
奥歯。
歯茎との境目。
手がどう動いているか。
ただ、それを感じます。
すると、
おそらく途中で別のことを考えます(笑)
それでOKです。
■ 大事なのは「飛ばないこと」ではない
ここが一番大事です。
「今ここ」の練習は、
・・・・
ずっと集中し続ける練習ではありません。
・・・・
気が散る。
別のことを考える。
未来へ行く。
過去へ行く。
それは普通です。
その時に、
「あ、今違うこと考えてた」
と気づく。
そして、
また歯磨きに戻る。
・・・・
🌿 飛ばないことより、飛んだことに気づいて戻れること。
・・・・
これが練習です。
これは、以前の記事でお話しした、
「あ、今考えている」
に気づく練習とまったく同じです。
■ 日常でやるなら、もっと簡単でいい
歯磨き以外でもできます。
例えば、
お風呂に入った時。
お湯の温度を感じてみる。
歩いている時。
足の裏が地面に触れている感覚を感じてみる。
ご飯を食べる時。
最初の一口だけ、スマホを見ずに味わってみる。
ピアノなら、
一音だけ弾いて、
その音が消えるところまで聴いてみる。
ずっとやらなくていいのです。
・・・・
🌿 30秒でも「今」に戻れたら、それで十分。
・・・・
■ 今にいると、時間の密度が変わる
一日が、
「あっという間だった」
と感じることがあります。
もちろん楽しくてあっという間だった、ということもありますが、
逆に、
何をしていたのかよく覚えていない一日もあります。
身体は一日を過ごしていたけれど、
頭の中は、
過去へ行ったり、
未来へ行ったり、
スマホの中へ行ったり。
そうすると、
その一日をちゃんと体験していないような感覚になることがあります。
反対に、
目の前のことをよく見て、
よく聞いて、
よく感じていた日は、
同じ24時間でも、
いろいろなことがあったように感じます。
時間が増えたわけではありません。
・・・・
🌿 体験した「今」が増えたのです。
・・・・
■ 未来のために「今」を使い切らない
私たちはよく、
「これが終わったら」
と考えます。
この仕事が終わったら。
子育てが落ち着いたら。
忙しい時期が終わったら。
お金に余裕ができたら。
その時になったら楽しもう。
でも、
その未来が来た時には、
また次の未来を考えているかもしれません。
だとすると、
・・・・
🌿 いつになったら「今」を生きるのでしょう?
・・・・
未来のために準備することは必要です。
過去から学ぶことも必要です。
でも、
私たちが実際に体験できるのは、
いつでも「今」だけです。
■ ミニワーク:「今ここ」に戻る30秒
今日、どこかで一回だけやってみてください。
歯磨きでも、
お茶でも、
お風呂でも、
歩いている時でも構いません。
30秒だけ、
今やっていることに意識を向けます。
そして、
① 今、何が見えていますか?
② 今、何が聞こえていますか?
③ 身体は何を感じていますか?
④ 頭の中はどこにいますか?
もし、
昨日のことを考えていたら、
「あ、過去にいた」
明日のことを考えていたら、
「あ、未来にいた」
それだけでOKです。
そしてまた、
今見えているもの、
聞こえているもの、
感じているものに戻ります。
・・・・
■ 「今ここ」は、特別な状態ではない
「今ここ」という言葉だけを見ると、
なんだか特別な境地のように感じます。
でも実際には、
もっと普通のことなのだと思います。
・・・・
🌿 ご飯を食べている時に、ご飯を食べる。
🌿 人と話している時に、その人と話す。
🌿 ピアノを弾いている時に、その音を聴く。
・・・・
ただ、それだけ。
そして意識がどこかへ飛んだら、
「あ、飛んでた」
と気づいて戻ってくる。
何度飛んでも大丈夫です。
何度でも戻ればいい。
そうやって「今」にいる時間が少しずつ増えていくと、
今まで何でもなかった日常の中にも、
意外とたくさんのものがあることに気づきます。
きれいだな。
おいしいな。
気持ちいいな。
楽しいな。
ありがたいな。
もしかすると幸せって、
どこか遠くに取りに行くものではなく、
・・・・
🌿 すでにあるものに、気づけること
・・・・
なのかもしれません。
未来の幸せを探して、
今を通り過ぎてしまわないように。
今日のどこかで30秒だけ、
「今、ここ」に戻ってみてください😌

