不安を飛び越えたら、できることが増えた
昨日、ピアノセミナーが行われました。
そこで、参加者のお一人にとても印象的なことが起きたので、今日はそのお話をしたいと思います。
今回の主人公を、仮にTさんとします。
Tさんは以前、病気をされて、一時は寝たきりの状態になったことがあるそうです。
そこから少しずつ回復されてきました。
ですから、ご本人の中にはずっと、
「私は体力がない」
「長時間は無理」
という感覚がありました。
実際、4月のミニセミナーでは、
「一日は絶対に無理」
ということで半日で帰られました。
5月のミニセミナーも午後だけの参加でした。
そして今回の1dayセミナー。
やはり最初は、
「一日参加するのは絶対に無理」
と思っていらっしゃいました。
ところが、9月のリピート枠も含めて、2回連続で申し込まれたのです。
この時、私はうっすら思っていました。
・・・・
🌿 もしかしたら「本当にできない」と「できないと思っている」が、少し混ざっているのでは?
・・・・
と。
■ 「できない」と思うことには、ちゃんと理由がある
ここは、とても大事です。
Tさんが、
「一日は無理」
と思っていたこと自体は、決しておかしなことではありません。
実際に大きな病気を経験している。
寝たきりだった時期もある。
体力が落ちた経験もしている。
だったら、
「無理をしない方がいい」
「長時間は危ないかもしれない」
と思うのは、ごく自然なことです。
これは自分を守るための大切な判断でもあります。
ただ、
人間にはちょっと面白いところがあります。
・・・・
🌿 過去に必要だった判断を、その後もずっと使い続けることがある。
・・・・
のです。
■ 昔の「できない」が、今の「できない」とは限らない
病気の直後には、
本当に一日動くことができなかった。
だから、
「私は一日活動できない」
という認識ができた。
その時点では、それはかなり正確な判断だったのだと思います。
でも身体は少しずつ回復していきます。
半年後、一年後。
身体の状態は変わっているかもしれません。
ところが、
頭の中の自分は、
・・・・
「私は一日持たない人」
・・・・
のままになっていることがあります。
つまり、
身体は更新されているのに、
自分についての情報が更新されていない。
これ、意外といろいろな場面で起きています。
■ そしてTさんは、一日過ごしてしまった
今回、Tさんはどうなったか。
なんと、
・・・・
🌿 何の問題もなく、一日過ごせてしまったのです😳
・・・・
しかも後から伺ったら、
「とても楽しかった」
とのこと。
これ、すごく大きなことだと思うんです。
一日参加できたことだけではありません。
それまでTさんの中にあった、
「私は一日持たない」
という自分についての情報に、
新しい情報が加わったからです。
「もしかして、一日できるのかもしれない」
これは小さな違いに見えて、
実はものすごく大きな違いです。
■ 人は「できる範囲」を自分で決めていることがある
もちろん、
何でも「思い込みだからやればできる!」
という話ではありません。
身体の限界はあります。
病気や体調については、無理をしないことも大切です。
でも一方で、
・・・・
🌿 本当の限界よりも手前に、自分で境界線を引いていることもある。
・・・・
のだと思います。
「私は人前では話せない」
「一人では旅行できない」
「この年齢から新しいことなんて無理」
「私は運動が苦手」
「私は機械が苦手」
「私は人付き合いが苦手」
本当にそうでしょうか?
もしかすると、
昔できなかった。
一度失敗した。
誰かにそう言われた。
怖い経験をした。
そこから、
「私は○○できない人」
という情報が作られただけかもしれません。
■ 不安がなくなってからやる、ではない
そして、ここが今回いちばんお伝えしたいところです。
Tさんは、
「もう一日参加しても絶対大丈夫!」
と確信してから参加したわけではありません。
不安はあったと思います。
でも、
・・・・
🌿 不安がある状態で、少しだけやってみた。
・・・・
だから、
「できた」
という新しい事実を手に入れることができました。
これ、とても大切です。
私たちは、
「不安がなくなったらやろう」
と思いがちです。
でも、不安って、
頭の中でいくら考えても消えないことがあります。
なぜなら、
「できる」という情報をまだ持っていないからです。
だったら、
安全を確保した上で、小さくやってみる。
すると初めて、
「できた」
という新しい情報が入ってきます。
■ 人生が変わるのは、大きな決断だけではない
「人生が変わる」というと、
会社を辞めた。
海外に移住した。
結婚した。
そんな大きな出来事を想像するかもしれません。
でも私は、
こういうことも人生が変わる瞬間だと思っています。
・・・・
🌿 「私はできない」と思っていたことが、一つ「できるかもしれない」に変わる。
・・・・
それだけで、
これから選べるものが増えるからです。
半日しか参加できないと思っていた人が、
一日参加できるかもしれない。
一人では行けないと思っていた人が、
一人でも行けるかもしれない。
人前では話せないと思っていた人が、
少しなら話せるかもしれない。
この
「かもしれない」
が増えるたびに、
人生の選択肢は少しずつ増えていきます。
■ ミニワーク:「できない」は今も本当?
自分について、
「私は○○できない」
と思っていることを一つ思い浮かべてみてください。
そして、こんなふうに考えてみます。
① いつから「できない」と思っていますか?
何かきっかけはありましたか?
昔の失敗?
誰かから言われた言葉?
過去の自分の状態?
・・・・
② その時の自分と、今の自分は同じですか?
経験も増えています。
環境も変わっています。
身体や知識、周りのサポートも変わっているかもしれません。
・・・・
③ 「できない」を証明する最近の事実はありますか?
ここ、大事です。
昔できなかったことではなく、
今も本当にできないと分かっているのか?
を見てみます。
・・・・
④ 100%ではなく、10%だけ試すなら?
いきなり全部やる必要はありません。
一日が怖ければ、少し長くしてみる。
人前で話すのが怖ければ、一言だけ話してみる。
一人で行くのが怖ければ、近い場所から行ってみる。
・・・・
🌿 限界を壊すのではなく、今の限界がどこなのかを確認してみる。
・・・・
そんな感じです。
■ 「私はこういう人」を、ときどき更新する
私たちは、
自分のことを一番よく知っているつもりです。
でも実は、
自分について持っている情報の中には、
かなり古いものが混ざっています。
昔の自分。
昔の経験。
昔の失敗。
そこから作った、
「私はこういう人」。
でも、
今の自分はもう違うかもしれません。
だから時々、
・・・・
🌿 「それ、今も本当?」
・・・・
と確認してみる。
無理をする必要はありません。
できないことを、できると思い込む必要もありません。
ただ、
「できない」と決めていたものを、一度だけ疑ってみる。
そして安全な範囲で、少し試してみる。
その先で、
「あれ?できちゃった」
が一つ増えたら、
それまで自分で引いていた人生の境界線が、
ほんの少し外側に動く。
Tさんに起きたのは、
そんな出来事だったのではないかな、と思います😌

