Minna です。
ここ数年間、
世界中が不安の中に陥れられました。
「この先どうなるんだろうか…?」
世界中の多くの人たちががこの気持ちに包まれました。
先の見えない環境では誰もが不安になります。
とはいえ、
「不安」というのは自分自身が作り出した
妄想の社会だということも言えます。
今回は不安の正体を考えてみたいと思います。
なぜ不安を感じるのか?
不安を感じる時、人はストレスを感じます。
ストレスは誰しも感じたくないものです。
しかし一見悪いことのように思える「不安」は
実は人間にとって重要な役割を果たしています。
この先に起こるかもしれない危険を回避することや、
そのための備えるといった行動につながります。
私たちの人生や社会生活に
プラスに寄与していると言えます。
とはいえ、それはストレス度合いにもよります。
毎日憂鬱になるほど高頻度で不安を覚えたり、
不安に押しつぶされそうになるなど、
度を過ぎると
「動悸」「めまい」「頭痛」「胸痛」「食欲不振」「不眠」「消化不良」などなど、
体に表出してしまいます。
こうなると、「不安は良いものです」などと言ってられません。
あくまで適度にストレスを感じられるレベルに留めることが大切です。
「不安は誰でも経験する現象で、
決して悪いことではない」ということが頭の片隅にあると
不安と上手に付き合っていけるのかもしれません。
不安とうまく付き合うために、「不安の正体」を考えていきたいと思います。
「不安」とはそもそも何者か?
国語辞典によると「不安」の意味はこう記されています。
【不安】
気がかりで落ち着かないこと。心配なこと。また、そのさま。
一方で、「心配」はこんな説明があります。
【心配】
物事の先行きなどを気にして、心を悩ますこと。また、そのさま。気がかり。
「不安」「心配」これらはとてもよく似ています。「不安」の説明の中に「心配」という言葉があり、「心配」は先行きを気にすることとあります。
一方で、心理学的な「不安」はと言うと、岩井俊憲さんの著書「感情を整えるアドラーの教え」にこう定義されています。
【不安(心理学的解釈)】
未来に直面しなければならない課題がある時、その内容が明確ではないため、十分な対処ができないでいる感情。
つまり、不安とは「未来への漠然とした感情」ということです。
例えば「失敗するかもしれない・・・」「笑われるかもしれない・・・」と
いったぼんやりとした感情です。
この感情とどう向き合うべきでしょうか?
仏教(ブッダ)の教えにヒントを探る
不安は「アタマの中の想像事」です。ブッダはこれらの想像事を、「すべて妄想である」と教えてくれます。
ブッダの教えの中に人の精神状態を3つに分類する考え方があります。
①貪欲(過剰な欲求)
②怒り(不快感・不満)
③妄想(アタマの中で想像すること)
こうした3つの分類の中で、
先の「不安」は「未来への漠然とした感情」であるため
「妄想」ということになります。
そう、「妄想」なのです。事実でも何でもなく、
実態もありません。ただの妄想。
不安との向き合い方の第一歩は、その不安は「妄想」だと理解するところからです。
「どうしよう・・・」「大丈夫かな・・・」などの不安が心に浮かんだら、「おお、妄想が出てきているな」と客観的に理解することです。「これは事実でもなんでもなく、妄想だな」と理解します。
そして、その妄想を真に受けないことです。なぜなら、それは「妄想」だからです。
これは人と会話しているとよくわかります。
心配性の人と会話していると、「そんなに心配しなくても大丈夫だって」と励ましたりします。
その背景には「(だってまだ起こってもない未来のことなんだから)」という前提があるからです。
人の相談に乗っている時は、妄想を真に受けなくてもいいんだよとアドバイスできます。
誰もが他人にはできるのです。
でも、いざ自分のことになるとできない。
これができるようになるためには、自分の意識を自分から離すこと。他人を見るように自分を見るというとです。
客観的に自分を見て、「私、今妄想しているな。こりゃ妄想状態だな」とはっきり理解することで、人に言うのと同じように「そんなに心配しなくても大丈夫だ」と自分に言えるようになります。
不安が雪だるまのように膨らんで押しつぶされそうになることがあります。つまり妄想が別の妄想を呼ぶということ。
心配性の人は正にこれです。
ネガティブのスパイラルに入ってしまいます。こ
うならないための秘訣は、初めの雪だるまを作らないということ。はじめの妄想を真に受けないことが大切です。
マインドから「妄想」を追い出す
不安の正体は「妄想」と分かり、その妄想を「真に受けない」ことが大切だとも分かりました。それでも人は悩んでしまうものです。
この不安を断ち切るにはどうすべきでしょうか。
その解決策が「マインドフルネス」な状態になることです。
マインドフルネスとはよく瞑想について語られる言葉です。
文字通り、マインドがフルな状態。
つまり一つのことで気持ちが満たされている状態ということです。
人間の脳は実は複数の事を同時に考えられるほど賢くできていないのです。
その構造を逆手にとって、
不安という妄想を追い出しましょう。
不安を脳から追い出す方法
目には目を、「妄想」には「瞑想」を、です。瞑想の一般的な手法は呼吸に意識を向けることです。
呼吸だけに神経を集中し、吸った時に鼻の中に空気が通る感覚、お腹の膨らみ、へこみ、鼻から抜ける空気の温度、これら呼吸がもたらす体への変化に意識を集中します。
心の中を「呼吸」だけで一杯にします。
そうすることで、「妄想が入る余地」をゼロにします。
運動も非常に有効です。
運動中にあれこれ考えるのは実は結構難しいです。
運動していると、カラダを動かすことに意識を向けざるを得ません。
瞑想には技術がいりますが、例えば軽いランニングをすることは技術など不要で誰でも今すぐ始められます。
私も、心にモヤモヤが出て来たらさっさと仕事を切り上げてランニングに出かけます。
30分も走って帰ってくる頃には、何で悩んでいたかも忘れています。
2.目を閉じて、目を開く
目の前にあるものは「現実」です。
触ることができます。
そして、目を閉じて見えるものが「妄想」です。妄想は触れません。
目は「現実」と「瞑想」のスイッチです。
まずは目を閉じて「妄想」の存在を理解します。
不安という妄想が浮かんでいるという感覚を理解します。そ
して、目をカッと開いて「現実」を見ます。
そうすることで、不安がただの妄想であり非現実なものと理解できます。
目の開閉で「妄想」と「現実」を区別し、
「妄想と無駄につきあわない」という態度を得ることができます。
「妄想」ではなく「行動」する
不安という「妄想」を取り除いていくと、
自然に残るものがあります。
それが「行動」です。
妄想という不安を完全に消し去るには
「対処する」という「行動」が必要です。
「本当にうまくいくだろうか・・・」という不安という名の妄想を消し去るには「うまくいくように準備する」が正解です。
つまり「準備」という「行動」が妄想を消すのです。
ブッダの教えの本質もここにあると言います。つまり本質とは「やってみる」ことなのです。
仏教(ブッダ)の教えはこの流れです。
①やってみる(経験を積む)
②成果が出る(ギャップを理解する)
③見通しがつく
この③の状態は不安という妄想は吹き飛んでいる状態です。
その不安を吹き飛ばすためには
「①やってみる」これしかないのです。
逆に言うと、やってみないので、ずっと不安なのです。
ただただ「やってみる」の連続だけが不安をなくし自信を生む、シ
ンプルだけど、確実な道と言えます。
小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道。
これはイチロー選手の言葉ですが、小さな「やってみる」の繰り返しでしか、不安を消せないし、自信も芽生えないのだと思います。
それでもなかなか「やってみる」という一歩が出ない人もいます。
その行動を妨げているのは、「失敗するかも?」「迷惑をかけるかも?」「笑われるかも?」「私になんて無理」といったこれも全て「妄想」にほかなりません。行動を邪魔しているのも「妄想」なのです。だからこそ「妄想」を消すことが大切です。
妄想しないで、やってみる
これが不安に打ち勝つシンプルな解だと言えます。
これは禅の世界にいうところの「とらわれのない心」です。
他人の目からもとらわれない、自分のネガティブな妄想からもとらわれない心の状態。この時、人は高いパフォーマンスが出せるのではないでしょうか。
トップアスリートがメンタルトレーニングをし、ルーティンをとりいれて、自分の中から不安を消し去り、ハイパフォーマンスを発揮しているのは正にこの「とらわれない心」の状態です。
そして、アスリートたちは
それを天性のセンスでやっているわけではないのです。
技術でカバーしているのです。つまり、やり方を学べば、誰でもできるということです。
まとめ
不安は未来に直面しなければならない課題がある時に「備えよう」とする健全な感情です。とはいえ、ストレスも伴うものですので、「うまく付き合う」ことが大切です。
「不安」とは単なる「妄想」です。事実でも何でもなく、勝手に頭の中で膨らんでいる妄想です。真に受けてはいけません。真に受けないためにも、マインドフルネスの状態になることで、心から余計な妄想は追い出しましょう。
そして、不安の源泉を消すためには「やってみる」という行動しかありません。初心に立ち返って「やってみる」。この積み重ねの先に「これならできるかもしれない」という見通しがつき、その時、不安は消え、自信が生まれるのです。
無駄に妄想せずに、やってみる。
このシンプルな態度で不安と向き合うというのはいかがでしょう?
今日も応援しています。
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